テロリストのパラソル

10年以上前に江戸川乱歩賞直木賞をダブル受賞した作品で、高校生だった当時に読んだ本でタイトルを覚えている本の一冊です。今のクラスメイトが文庫版を読んでいて「知ってます?」なんて言うもんだから、萩原健一主演でドラマ化もされたことまで話してあげました。本のタイトルや所々話のディテールは覚えていても、大筋を覚えていないという忘れようだったので、その文庫を借りて読み直したんですが、なかなか面白かったです。先に原作を読んでいたのでドラマを見たときはがっかりした覚えがありますが、今読むと主人公が萩原健一でしっかり脳内再生されて、これが意外としっくりきました。読み終わったあとに、もう一人の主人公とも言うべきテロリスト役は誰だったか調べたら、根津甚八でした。このドラマの2〜3年前に、映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』でもテロリスト役で出演していたことが思い出されて、おっ!と思いました。結果的にはどちらも敗者なんですよね。でも負けの美学とでもいうのか、ああいう渋さって好きかもしれません。全共闘世代というと俺の親父たちがそうなるんだろうけど、俺はなぜかこの時代のテイストが好きです。ちょっと俺やばいです。気をつけよう。